新次元のヘッドランプ結露防止効果を実現

ヘッドランプの結露は、車載ランプ業界で繰り返し問題になっています。既存の通気ソリューションはこうした結露を低減できるだけで、持続可能な防止策ではないことから、業界でフルLEDヘッドランプへの移行が進むにつれて、結露はより大きな技術的課題となっています。


新次元のヘッドランプ結露防止効果を実現

どのように水分が入り込むのか?

結露を引き起こす原因となる水分は、次の3つの異なるメカニズムによってヘッドランプ内部の空気中に追加される可能性があります。

  1. プラスチック部品やハウジング材料の水分吸着
  2. プラスチック・ハウジングやレンズ材料を通じての水分透過
  3. 通気ソリューションを通じての水分の対流伝達/拡散

LEDランプが特に結露の影響を受けやすい理由は?

    車外ランプの結露は、レンズの温度がランプ内部の露点を下回った時に発生します。LED技術はランプ内部の温度条件を変化させ、以下の理由によって結露発生のリスクを高めます。

    1. LEDランプの場合、従来のランプ技術に比べ放熱量が少ないため、ランプ内部の対流・換気が起こりにくい。
    2. LEDランプは熱源がランプの背部に位置しているため、レンズに向かう熱量が少なく、結果としてレンズの温度が低下する

    一般的に、LEDランプの放熱量は結露やレンズの曇りの原因となる水分を加熱/蒸発させるには不十分です。ランプの設計における次の2つの傾向によって、結露の発生はさらに増加しています。

    1. 最近のランプでは使用される電子部品の増加に伴ってプラスチックの量が増えており、ランプ内部の温度上昇時にプラスチックから放出される水分の量がさらに増加しています。
    2. ランプの設計がより複雑になるにつれて、レンズ内面と通気ソリューション間の通気経路に制約が生じます。これにより、結露解消を可能にする水分の拡散がさらに制約を受けることになります。

    こうした問題の既存技術による解決は?

    完全には不可能です。従来のソリューションはいずれも、多かれ少なかれ部分的には有効ですが、その効果は多くの場合、周囲温度や圧力、動作/環境条件、クルマが移動中か静止中か、などの不確定要素に左右されます。例えば、

    • 対流システム(連続気泡フォーム使用のゴム製チューブ/キャップ、または不織布材料使用のキャップベント)は水分を拡散させる効果がほとんどなく、塵や水分の侵入に対する保護機能は最小あるいはほぼゼロです。最も重要なのは、対流システムがクルマの移動時のみ機能することです。(一般的なクルマは静止時間が全時間の96%を超えることから、対流システムでは持続可能な結露(曇り)低減性能を提供できません。)
    • ePTFEメンブレンベントを使用した拡散システムは多くの用途に適したソリューションで、継続的に圧力調整を行い、泥や水分の侵入を防ぎます。また、メンブレンベントはクルマが移動中でも停止中でも、ランプ内部から水分を拡散させます。しかし、拡散性能は周囲やランプ内部の条件に左右されます。
    • 防曇塗装には水分除去効果がありません。内側のレンズ表面のエネルギーを変化させるので、結露は微細な水滴状態を維持するのではなく「シート状に広がり」ます。こうした塗装はレンズの設計オプションを制限します。また、防曇塗装の性能を超える水分が内側のレンズ表面に発生した場合は、内側のレンズ表面にシミやスジができます。
    • 再生不可能な乾燥剤が輸送中や保管中の水分に対する保護のために、ランプやランプハウジングの内部に入れられることがあります。こうした乾燥剤は乾燥剤の量や相対湿度に応じて数週間から数ヵ月間しか機能しない場合があります。
    • ファン(ヒートシンクからレンズに対して温風を出す)はレンズを高速で乾燥させますが、ヘッドランプ筐体内部の露点温度低下や水分低減の効果はありません。

    これまでの説明でわかるように、これら既存のアプローチはすべて、外部環境の周囲条件とランプ内側の周囲条件の相互作用の影響を受けやすくなっています。

    CMD Product Photo

    これらアプローチすべてに問題がある場合、そのソリューションは?

    何よりも第一に、ヘッドランプの内側で生じる事象が、外部環境で生じる事象の影響を受けないようにすることです。そして、こうした課題に対応可能な新技術が初めて登場しました。

    AML Systemsとゴアの協力による技術は水分を一方向に排出して結露を防止する革新的な製品により、ヘッドランプの保護を新たな次元に高めます。

    ゴアの結露マネージメント技術により
    AMLの結露防止デバイス(CMD)を実現

    CMDはメカニカルな機構と再生可能な乾燥剤を組み合わせた製品で、ヘッドランプ内部の水分を一方向に排出・除去し、ランプ内部の露点を低下させます。この作用により、レンズ外側の温度が急激に低下してもレンズ内面に結露が発生しません。高湿度の気候であっても、CMDは防塵/防水機能と圧力調整を提供すると同時に、ヘッドランプから水分を一方向に排出・除去します。