密閉型の屋外用電子機器筐体に圧力調整効果を持つベントシステムが備わっていないと、急速な温度・気圧・高度等の変化による圧力変化によるダメージを受けやすくなります。こうした筐体内外の圧力差はシール部に繰り返し負荷を与え、破損を引き起こします。一度破損すると、圧力差によって破損部から機器の損傷を招く異物や液体がさらに入り込む可能性があります。

ゴア® プロテクティブベントは、圧力を逃がすバルブの役割を果たし、シール部を負荷から保護して早期破壊を防ぐとともに、筐体内の大切な機器部品を守ることができます。

  • 双方向通気が可能なため、空気やガスを自由に通すことができ、筐体内外の圧力差を均一化します。このため、たとえ一日中太陽に照らされていた筐体に突然冷たい雷雨が襲っても、通気ベントによって温度・圧力差を迅速に調整することができます。これは、シール部にかかる負荷を削減するだけでなく、筐体自体を圧力による変形から保護することにも繋がります。また、この通気性によって結露の発生頻度や程度を軽減することも可能です。
  • 温度・圧力調整バルブとしての機能に加え、ゴア® ベントは異物の侵入も確実に防止します。ベントに組み込まれたゴア® メンブレンに開いている微細な孔は、空気やガスの分子がちょうど通る大きさで、それよりも大きな水滴や液体、腐食液、粉塵、塩分、砂などの機器の損傷に繋がる異物は通しません。

屋外用電子機器筐体におけるゴア® ePTFEメンブレンの保護機能

素早く圧力差を均一化する機能と効果的で耐久性のある保護バリア機能を組み合わせることで、ゴア® プロテクティブベントは密閉型屋外用電子機器筐体の健全性を保ち、内部の機器部品の信頼性と寿命を延長します。

小型・薄肉筐体やスマートなデザインの筐体を使用する用途の場合は、ゴア® 粘着剤付きシリーズが圧力対策に優れたベント・ソリューションを提供します。これらのベントは空気やガスの分子を自由に通すだけでなく、両方向通気によって、ガスセンサーなどの用途で求められる信頼性と安定した性能特性を実現します。また、耐久性があり薄型のベントは取付けも容易です。これにより、小型で部品がぎっしり収まった通信用・照明用筐体でも簡単に通気が確保でき、ガスセンサーは正確な計測が可能になります。

ゴア® スクリューイン(ねじ込み型)シリーズは、様々な容積の一般的な屋外用筐体に幅広く対応します。非常に頑丈で、大型筐体向けの高通気タイプから難燃性UL規格対応モデル、IK10(機械的衝撃耐性)対応ステンレス製通気プラグ、爆発性雰囲気での使用に適したIECEx・ATEX認証取得モデルまで、業界の最も厳しい規格にも適合します。スクリューインシリーズは、過酷な環境に耐える強靭さと、製品寿命の延長に寄与する耐久性を兼ね備えています。

迅速・確実な取付けと屋外での耐久性が求められる用途には、容積30ℓ以内の筐体向けの圧力調整バルブから容積2ℓ以内の筐体向けの圧力調整バルブまで、幅広いニーズに対応するゴア® スナップイン(はめ込み型)シリーズが最適です。車両搭載型テレマティクスやアンテナなど、機械的振動や紫外線劣化、過酷な天候や温度条件への耐性が必要な用途に理想的な製品です。

お客様の用途にあった活用方法をご提案いたします。

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過酷な気象パターンや気圧変化にも耐えるゴア® プロテクティブベント ePTFEメンブレン

屋外電子機器用のゴア® プロテクティブベントはすべて、第三者検査機関による徹底的な試験を経て、様々な耐環境性能の認証を取得しています。特に動作可能な実用温度範囲が広く、温度変化の激しい環境にも耐えうる信頼性の高いベント製品です。

ゴア® プロテクティブベント

温度試験

IEC 60068-2-1
低温試験
IEC 60068-2-2
高温試験
IEC 60068-2-14
温度変化試験
耐久温度:~-40°C 耐久温度:~125°C
(または記載値)
-40°C~125°C
(または記載値)
粘着剤付きシリーズ
VE8

✔ 〜100°C

✔ -40°C〜100°C

VE7

VE9

スナップインシリーズ
ゴア® ポリベント ハイジ 

✔ 〜85°C

✔ -40°C〜85°C

ゴア® ポリベントXS

✔ 〜140°C

✔ -40°C〜140°C

ゴア® ポリベント標準タイプ

ゴア® ポリベント高通気タイプ

スクリューインシリーズ
ゴア® ポリベントXS 

✔ 〜150°C

✔ -40°C〜150°C

ゴア® ポリベント標準タイプ 

ゴア® ポリベント高通気タイプ

ゴア® ポリベントXL

ゴア® ポリベントステンレススチール

ゴア® ポリベントEx+

 

様々な用途における密閉型筐体の保護方法について、詳しくは以下をご覧ください。

本製品は、工業製品に限定してご使用ください。

食品、医薬品、化粧品または医療機器の製造、加工、包装工程にはご使用いただけません。