製品概要

ゴア® ジョイントシーラントは、50年以上前にゴアが発明したフリーサイズのガスケットです。長い使用実績を持つ鋼製フランジ用シール材で、大口径、矩形、異形などさまざまな形状のフランジに対応します。

ゴア® ジョイントシーラントは柔らかく、なじみ性に優れるため、表面の粗いフランジであっても、長期間シール性を維持することが可能です。また、優れた耐熱性及び耐薬品性も兼ね備え、厳しいプロセス条件や腐食性のある流体にも使用できます。さらには、締付荷重の低い用途やガスシールを要求される用途でも使用することが可能です。

ゴア® ジョイントシーラントは、幅広い用途でご使用いただけます。このひも状シール材は、信頼性の高いシールを実現するだけでなく、施工が簡単で費用対効果に優れていることから、メンテナンスや修理など数多くの場面において使われています。多くの場合、粘着材の離型紙をはがしてフランジに貼り付け、端部を重ね合わせるだけで使用することが可能です。(複雑な用途の場合は、施工手順書をご覧ください。)

耐久性に優れるゴア® ジョイントシーラントは、様々な用途に対応する最も簡便で汎用性の高いガスケットのソリューションの一つです。

お問い合わせ

用途

以下の分野の腐食性流体を使用するプロセス:

  • 化学工業
  • パルプ & 製紙工業
  • 鉱業
  • 半導体製造
  • 電力

大口径・規格外寸法の鋼製機器フランジ:

  • タンクマンホール
  • ハンドホールおよびマンホール
  • ダクト
  • ハウジングカバー
ゴア® ジョイントシーラントの使用用途
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ゴア® ジョイントシーラントは、ダクト、カラム、タービン、ミキサー、タンクに用いられる鋼製フランジを確実にシールするフリーサイズガスケットです。

性能上の利点

ゴア® ジョイントシーラントが幅広い用途に使用できる理由
A microscopic view of the fibrils that improve the strength and sealing performance of GORE Joint Sealant.

ゴアの延伸加工技術が生み出す微細なフィブリルを有する多孔質構造により、ゴア® ジョイントシーラントは、表面の粗れたフランジ面でもシールすることができます。

ゴアの延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)技術

ゴア® ジョイントシーラントは、ゴアの技術により高度に一軸方向に延伸された延伸PTFE(ePTFE)のみで構成されています。

微細なフィブリル化によって、ジョイントシーラントの材質の強度とシール性能が向上します。さらに、フィブリル化により柔らかくなることで、なじみ性が大きく向上し、フランジ表面の多少の粗さであれば簡単に吸収します。

ゴア® ジョイントシーラントは耐薬品性にも優れています。溶融アルカリ金属および高温・高圧のフッ素ガスを除く、pH0~14のほとんどすべての流体に耐性があります。したがって、ゴア® ジョイントシーラントは強アルカリ、強酸、有機溶媒などを用いた化学プロセスで、幅広く使用することができます。


容易かつシンプルな取り扱い取扱いおよび施工

ゴア® ジョイントシーラントは、さまざまな用途に対応した、簡単で費用対効果に優れたガスケットソリューションです。

このひも状のガスケットは、現場ですぐに成形することが可能です。フランジのサイズや複雑さ、条件に関係なく、どんな形状にでも合わせることができます。脆いフランジや、フランジローテーションを最小限に抑える、もしくは防止する必要のある用途に、施工の選択肢を提供します。

スプールで提供されるこのePTFEジョイントシーラントは、以下のようにすばやく簡単に施工することができます。

  • 離型紙をはがします。
  • 粘着材の付いたシーラントをフランジに貼り付けます。
  • ボルト付近でシーラント端部を少しはみ出させて重ね合わせるだけで、信頼性の高いガスケットを成形できます。

ゴア® ジョイントシーラントを使用すれば、垂直フランジの施工も一人でおこなうことが可能です。

» ゴア® ジョイントシーラントの使用がいかに簡単かを、施工ガイドでご覧ください。


取り扱いが容易で、コスト削減も可能

時間もお金と同じく無駄にできないのであれば、ゴアはお客様がその両方を節約することができるようサポート致します。

ゴア® ジョイントシーラントなら、その場で迅速かつ簡単に特注の大口径ガスケットを成形することが可能です。現場外で製作されるのを待つ必要はありません。輸送においてパレットを受け取ったり、トラックやクレーンリフトを依頼したりする必要もありません。特別な扱いも、メンテナンスも不要です。

ゴア® ジョイントシーラントは、シール性、耐久性に優れ、メンテナンス回数を最小化できます。また、ガスケットの設置が簡単かつ短時間で行えるため、メンテナンス時のダウンタイムを短くすることが可能です。メンテナンス回数が少なく稼働停止時間が短いことで、さまざまな現場の生産性を高め、関連したコストの削減も期待できます。

技術データ

材料
  • 単一方向に高い強度を有する100%ePTFE(expanded polytetrafluoroethylene)製
  • 製品の片面に施工用の粘着テープが付属しています。
温度範囲 -269℃ ~ +315℃
耐薬品性 溶融アルカリ金属および高温・高圧のフッ素ガスを除く、pH0~14のほとんどすべての流体に耐性があります。
使用可能範囲 使用可能範囲は、温度、圧力、フランジサイズ、締付圧、施工方法など、使用条件に依存します。
  • 通常使用範囲:-60℃~150℃、中真空(1)~10bar
  • 通常使用範囲を超えての使用を検討している場合は、お問い合わせください。
保管可能期間 ePTFEは経年劣化しないため、長期の保管が可能です。粘着剤の劣化を最小限に抑えるためには、室内で常温以下の環境(2)にて保管し、購入日から2年以内に使用してください。


(1)絶対圧1mmHg(Torr) = 133Pa = 1.33mbar
(2) 21℃ 50%相対湿度

(3) 3mm 5mm 7mm 10mm
  14mm 17mm 20mm 25mm


(3)ゴア® ジョイントシーラントは、圧縮性に非常に優れています。したがって、保存、取扱い時に寸法が簡単に変化します。保存、取扱い時の軽微な寸法の変化は、製品性能に影響を及ぼしません。

試験データ

試験結果

  厚み 試験温度 初期締付圧力 試験ステップ 1 試験ステップ 2
VDI 2200 (06-2007)
DN 40 / PN 40 Steel
2mm 150℃ 30MPa ○、60bar ○、60bar


5mm幅のゴア® ジョイントシーラントにて試験を実施しています。

試験方法

VDIガイドラインの目的は、技術的なスタンダードに基づき、適用されるシールの条件を分析・整理することです。さらに、最新の研究成果を含む条件を完備し、特にガスケットを考慮したフランジジョイントの選択、解釈、設計、組み立てにおいてユーザーに助言します。(1)平滑なフランジを用いたシールシステムにおけるブローアウトテストは、現状のテスト技術に対応しています。シール材単独ではブローアウトへの安全性を達成できません。それは常にフランジジョイントのシステム全体に依存します。

一般的な試験手順

  1. 締付トルクを4段階(目標トルクの25%、50%、75%、100%)で目標トルクまで締付けます。締付圧、ガスケット厚さは試験成績書に記載されます。内部の圧力によるフランジを押し広げる力は、締付力に付加されます。
  2. 締付けて5分後に目標トルクまで増締めします。
  3. 循環ヒーターもしくはカートリッジヒーターで、2℃/minでフランジを加熱します。
  4. 最低48時間、温度を維持します。
  5. フランジを常温まで冷却します。
  6. 残留トルクを測定します。

テストステップ 1

ブローアウトテストは窒素ガスにて呼び圧力の1.5倍までの圧力で行われます。必要に応じて、より高い圧力でのテストも可能です。内圧は、目標の圧力まで5barずつ段階的に上昇させます。各圧力の保持時間は最低2分です。

5秒以内にΔp≧1bar-(V0=試験室容積)の圧力変化があった場合、「ブローアウト」と定義されます。達成された内圧は、試験記録に記載されます。最高試験圧力までブローアウトが発生しなかった場合、テストステップ2に従って試験を継続します。

テストステップ 2

内圧を放出し、内圧により浮き上がる力に対して表面圧力を 5N/mm2まで下げます。締付圧の変化量は、試験報告書に記載されます。"(2)

(1) 資料:Verein Deutscher Ingenieure e.V.:VDI 2200:Tight flange connections - Selection, calculation, design and assembly of bolted flange connections, June 2007, page 4
(2) Source: ibidem, page 64

ガスケットデザインファクター

試験結果

m 1.5
y 2,500

試験方法

ガスケット係数mおよび最小設計締付圧力yは、ASME Boiler and Pressure Vessel Research Code Division 1 Section VIII Appendix 2に規定されたフランジ設計に用いられるガスケット定数です。ガスケットのリーク量に対する最小設計締付圧力Yおよびガスケット係数mは、現在ASTM F03ワーキンググループで新しい試験法として提案されています。

ガスケット定数の定義

ガスケット係数mは、ある締結体に内圧が加えられた際に、ガスケットへの圧縮荷重を維持するために必要とされる荷重を求めるための係数です。

最小設計締付圧力yは、初期締結の際に、ガスケットのフランジへのなじみを達成するのに必要な最小圧縮応力です。

EN13555およびAD 2000 B7におけるガスケットデザインファクターについては英語ページを参照ください。

認証と用途

TA Luft1試験では、ガスケットはDN40/PN40の鋼製フランジに通常は締付圧30MPaで取り付けられます。その後、フランジは定められた温度に48時間以上さらされます。冷却後、24時間以上にわたって漏れ量を測定します。試験内圧は1bar(試験ガス:ヘリウム)です。

TA Luftの基準に合格するには、24時間後の最終的な漏えい量が、1.0×10-4 mbar*l/(s*m)未満である必要があります。

1Federal Ministry of Germany for the Environment, Nature Conservation, Building and Nuclear Safety: First General Administrative Regulation Pertaining the Federal Emission Control Act (Technical Instructions on Air Quality Control - TA Luft), Joint Ministerial Gazette, July 30, 2012.

ドイツ連邦材料試験研究所(Federal Institute for Materials Research and Testing [BAM])は、液体および気体の酸素を使用するフランジに使用するシール材の適合性をテストします。テスト方法と結果の詳細については、テストレポートを参照くださいなお、本テストは、粘着剤を使用しない状態で実施しました。

DVGW(Deutscher Verein des Gas- und Wasserfaches e.V.)は、ドイツガス水道技術科学協会です。この試験は、DVGW VP 403規格”Expanded polytetrafluoroethylene (PTFE) sealing profiles for flange connections in the gas supply industry.”にもとづいて実施されています。ゴア® ジョイントシーラント(幅5mm)は、この規格のすべての要件を満たしております。

フランジ腐食の原因となる水溶性のフッ化物や塩化物イオンの溶出量を測定する試験です。純水中で約95℃、24時間浸漬させます。このテストがお客様のアプリケーションに必要な場合は、お問い合わせください。

ゴア® ガスケット製品は、成形品の定義を満たしているため、製品安全データシート(MSDS)や安全データシート(SDS)の添付は必要ありません。ご参考までに当社製品の使用目的および適切な取り扱いを記載した製品安全シート(PSS)を掲載します。

ゴアは、ISO9001の認証を取得しています。

関連資料

 


本製品は、工業製品に限定してご使用ください。

食品、医薬品、化粧品または医療機器の製造、加工、包装工程にはご使用いただけません。