ガスケットの種類と用途。パッキンとの違いは?
技術情報, 日本語
ガスケットには様々な種類がありますが、使用目的やニーズに応じて、適切なガスケットを選ぶ必要があります。適切なガスケットを選ぶために、種類ごとの特徴や選定のポイントを解説していきます。
ガスケットとは?
ガスケットは、配管フランジなどの静止部分に使用され、隙間を埋める工業用のシール材です。接合部から流体の漏れを防ぎ、外部からの異物混入を防ぐ役割を担っています。
ガスケットとパッキンの違い
パッキンとガスケットはともに、機械や装置の接合部に使用されます。大きな違いは、固定用のシール材であるガスケットは、主に静止部分(フランジ接続部など)に使われるのに対し、運動用シール材であるパッキンは、回転や往復といった動く面(バルブやポンプなどの軸部分)に使用されます。
一般的にパッキンはOリングやVリングのような環状の形状をしていますが、ガスケットは接合部の形に合わせて、様々な形にカットすることができ、多様な形状があります。
ガスケットを選ぶ際のポイント
ガスケットを選ぶ際には、使用環境や材質、用途に合わせて選ぶ必要があります。使用環境では、ガスケットを使用する温度や圧力を考慮することが重要です。また、ガスケットの材質は、その耐久性や耐熱性に大きく影響します。
ガスケットに求められる特性
- プロセス温度に合わせた耐熱性
- 流体に合わせた耐薬品性
- 優れたなじみ性
- 安定したシール性能
- 取り付けや交換の容易さ
ガスケットの基本的な種類
シール材のガスケットは、以下のようにゴム、金属、シリコン、PTFEなど様々な素材からつくられています。
ジョイントシート
繊維材料や充填材、ゴムなどを混合して作られたシート状のガスケットで、フランジ形状など必要な形状に打ち抜いてから使用します。
PTFEガスケット
フッ素樹脂であるPTFE( ポリテトラフルオロエチレン )は化学的に安定しており、多くの薬品や溶剤に対して耐性があります。またクリーン性やシール性にも優れています。PTFEガスケットは、食品、医薬品、化学プラントなどの産業で広く使用されています。
ゴムガスケット
ゴムの弾性により高いシール性を保持します。材質によって、様々な流体に使用可能ですが、特に水や空気のシールに適しています。
膨張黒鉛シート
膨張黒鉛を基材とするシートガスケットで、低温から300℃を超えるような高温まで、幅広い温度域で使用可能です。
うず巻形ガスケット
金属フープと非金属のフィラーをうず巻状に巻き取ったガスケットです。幅広い温度、圧力範囲で使用できます。
関連記事:
ガスケットシートとは?種類や材質など選定時のヒント
ジョイントシートガスケットとは?
フランジガスケットとは?
長期シール性に優れたゴアのガスケット
ゴアのガスケットは、100%ePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)からなる、フランジ用ガスケット、ジョイントシーラント、テープガスケットなどを提供しています。ePTFEガスケットは圧縮性、耐クリープ性に優れるため、粗面フランジにも容易になじみ、高いシール性能を長期に渡り発揮します。
ゴアのガスケットの特長
- 100%ePTFEからなるガスケット
- 複雑な形状にも高いなじみ性を発揮
- 優れた耐薬品性と耐熱性
ゴアのガスケット製品の主な用途
- 配管、機器シール:配管やフランジなどの接合部から、液体やガスの漏れを防ぎます。
- クッション材:振動を緩和する材料やプレス工程でのクッション材として使用されます。
- 断熱材:配管の外周を覆うクリーンな断熱材や、断熱カバー材としても使用可能です。
ゴアのガスケットは、様々なアプリケーションで採用されています。また、運転条件や機器にあった適切なガスケット製品をご提案させていただくことも可能です。詳細はお問い合わせください。
本製品は、工業製品に限定してご使用ください。
食品、医薬品、化粧品または医療機器の製造、加工、包装工程にはご使用いただけません。