ゴア® パッケージングベントに関するよくあるご質問
基本情報
撥水性を備えたメンブレンは、水など表面張力の高い水性液体を弾きながら、容器内部の圧力を外部へ逃がします。一方、撥油性を備えたゴアの延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)メンブレンは、水性液体に加え、オイルや石鹸、洗剤などの表面張力が低い液体もしっかり弾きます。
延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)層で構成された微多孔性のゴア™ メンブレンを、支持材に貼り合わせた構造です。支持材はメンブレンを機械的に安定させるとともに、 製品への組み込み時に、デバイス筐体との接合部として機能します。
はい。ゴアのメンブレンは微多孔性構造により、液体の侵入を防ぎながら、ガスの双方向の通過を可能にします。ガスの流れの方向は、容器内の圧力が外部に対して正圧か負圧かによって決まります。ゴアでは、必要な通気量に応じて、通気性の異なるさまざまなメンブレン素材を提供しています。
ベントの形態や用途によって異なります。成形品タイプや2層フォームライナーを使用する場合はキャップに穴が必要ですが、3FL(3層)キャップライナーや高周波溶着ライナーを使用する場合は穴は不要です。用途に適した製品の選定については、ゴアの技術担当者 までご相談ください。
キャップに穴がある場合、ガスは微多孔性の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)メンブレンを通過し、キャップの穴から外部へ排出されます。メンブレンが内外の圧力を継続的に均等化することで、容器内に圧力がこもるのを防ぎます。一方で、液体や粒子は容器内部に侵入しません。

キャップに穴がない場合、ガスは微多孔性ePTFEメンブレンを通過してメンブレン上部の空間へ移動し、そこからキャップのネジ山を通って外部へ排出されます。メンブレンが内外の圧力を継続的に均圧化 することで、容器内に圧力がこもるのを防ぎます。同様に、液体や粒子は容器内部に侵入しません。

技術情報
いいえ、必要ありません。ゴア® メンブレンは微多孔性構造により、ごくわずかな圧力差でもガスを通過させることができます。そのため、マッシュルームバルブのような従来のバルブシステムとは異なり、ガスを流すための応答圧力を必要としません。
製品情報にも記載されている通気量は、リットル毎時(L/h)で示される「乾燥状態」での測定値です。これは、ベントが液体で濡れていない状態で測定された通気量を意味します。この値により、さまざまなゴア® パッケージングベントの性能を相対的に比較することができます。ただし、乾燥時通気量は製品選定の参考指標のひとつであり、唯一の判断基準ではありません。
メンブレンが液体と直接接触すると、通気量が大きく変化する可能性があります。そのため、乾燥時の通気性能のみを基準にベントを選定することには注意が必要です。新しい用途や配合の変更がある場合は、必ず実際の使用環境でテストを実施してください。
ラミネートの液体浸透や漏れに対する耐性は、孔径などのメンブレンの特性に加え、対象となる液体の表面張力や粘度といった性質によって異なります。液体によっては、一定以上の圧力が加わるとメンブレンを通り抜けてしまう可能性があります。充填される液体の種類はさまざまであるため、ゴア® パッケージングベントのデータシートに記載されている数値は、水を基準とした参考値です。
いいえ、機能しません。容器を横にしたり逆さまにしたりした際に液体がゴア® パッケージングベントのメンブレン表面を覆うと、通気ができなくなります。ベントが機能するためには、容器内のガスがゴア® メンブレンの有効表面に直接接触できる状態を保つ必要があります。
ゴア® パッケージングベントの標準シリーズD15およびD17には、各部品に固有の番号がレーザーで刻印されています。この番号により、製造工程の初期段階における使用部材まで遡って追跡することが可能です。また、この刻印により使用後であっても部品を個別に識別でき、純正のゴア® パッケージングベントであることを確認できます。さらにこの徹底したトレーサビリティに加え、品質保証対策や通気量試験、外観検査を実施することで、危険物のパッケージングや輸送に求められる安全性を確保しています。
いいえ、水による試験だけでは十分ではありません。すべての液体が同じ特性を持つわけではないため、水による圧力試験に合格しても、実際の使用環境において特定の化学製品の液漏れや流出を確実に防げるとは限りません。液体の配合や化学組成によって、表面張力や粘度は大きく異なり、これらの特性は耐液圧(液体がメンブレンに侵入する圧力)にも影響します。そのため、ゴア® パッケージングベントを取り付けた容器であっても、液漏れが発生する可能性があります。
用途について
用途に合ったベントを選定するには、さまざまな要因を考慮する必要があります。主な検討事項としては、内容物の化学組成、温度変化、標高変化などが挙げられますが、これらに限られるものではありません。用途に適したベントの選定については、当社までお問い合わせください。
ゴア® パッケージングベントは、30年以上にわたり幅広い用途で採用されてきました。初期は危険物、特に過酸化物およびその配合物の通気用途として導入され、その後も製品ラインナップの改良を重ねながら、さまざまな要件に対応できるよう進化を続けています。
撥水性ベントは、乾燥製品、粉末、錠剤などの乾燥系製品のほか、漂白剤、消毒剤、過酸化水素、プール用塩素剤などの水溶液系製品にも使用されています。
撥油性ベントは、家庭用・工業用洗浄剤、農薬、液体肥料、香り付き漂白剤のほか、アルコール、脱脂剤、溶剤、オイル、エッセンシャルオイル、香料、界面活性剤などを含む製品に適しています。
サンプル、価格、および注文について
サンプルをご希望の場合は、こちらからお問い合わせください。
ベント製品の多くは、お客様の用途に応じてカスタマイズしています。そのため、用途の詳細をお伺いしたうえで最適な製品を選定し、お見積りをご提示しています。
はい。製品ラインナップのD15、D17、およびD38は、キャップと容器を組み合わせたシステムの一部として、落下試験に耐えられるよう設計・最適化されています。ただし、危険物輸送に関する承認は、キャップと容器を含むシステム全体に対して付与されるものである点にご留意ください。
はい、通気機能を付与できる各種製品を提供しており、さまざまなキャップや蓋に組み込むことが可能です。具体的には、通気性キャップライナー、通気性高周波溶着ライナー、押し込んで取り付けられる成形品タイプのベントなどがあります。
いいえ、通気機能付きの容器そのものは販売していません。代わりに、プラスチック容器に通気機能を追加できるパッケージングベントを設計・製造しています。さらに、世界有数の容器メーカーと協力関係にあるため、さまざまなサイズや形状、デザインの容器についてご提案が可能です。
取り付け、取り扱い、および保管について
ゴア® パッケージングベントは、少量生産や頻繁に変更される製造ラインでの手作業による取り付けから、大量生産向けの全自動取り付けまで、幅広い方法に対応しています。
具体的な取り付け方法については、ゴアの担当者までお問い合わせください。
不適切な取り扱いによりメンブレンが損傷すると、液漏れの原因となります。以下のガイドラインに従って取り扱ってください。
- メンブレンに触れたり、圧迫したり、強く押しつぶしたりしないでください。
- 取り扱いの際は、ラテックスフリーの手袋または指サックを着用してください。
- 鋭利な物体との接触を避けてください。
- 化学薬品を使用する前に、メンブレンとの適合性をご確認ください(詳細は当社の製品情報をご参照ください)。
- 成形品タイプのベントを使用する場合は、以下の点にご注意ください。
- キャップの通気穴は、推奨寸法(直径2 mm)を満たしている必要があります。
- 通気穴が塞がれないようご注意ください(例: 容器の積み重ね、破片、汚れ、液体、容器のフィルム包装など)。
- プレスフィットの寸法が取り付けガイドラインの推奨値と一致していることをご確認ください。プレスフィットのクランプ部は指定の高さ以下に維持し、通気穴を塞がないようにしてください。これを超えると、メンブレン手前に液体が溜まり、通気性能が低下する可能性があります。
- ライナータイプのベントを使用する場合は、以下の点にご注意ください。
- 容器にキャップや蓋を取り付ける際は、ゴアが推奨するトルクを使用してください。トルクが適切でないとライナーの過度な圧縮を招き、通気性能の低下につながる可能性があります。
- ライナーは、接着剤で固定するよりもアンダーカットを利用してキャップに装着することを推奨します。やむを得ず接着剤を使用する場合は、接着範囲を最小限に抑え、ライナー中央に配置してください。また、高粘度の接着剤の使用を推奨します。
- キャップに通気穴が必要なライナーを使用する場合は、以下の点にご注意ください。
- キャップの通気穴は、推奨寸法(直径2 mm)を満たしている必要があります。
- 通気穴が塞がれないようご注意ください(例: 容器の積み重ね、破片、汚れ、液体、容器のフィルム包装など)。
- 組み立て済み製品(例: ゴア® パッケージングベントが組み込まれたキャップや蓋)を大量にまとめて取り扱う(搬送・保管など)場合は、個別にテストを実施し性能をご確認ください。
製品は、元のパッケージに入れたまま清潔な環境で保管してください。保管中は、極端な温度や急激な温度変化にさらさないようご注意ください。